2025.12.10『なみだ』

どんぐり舎は、1人1人が異なる問題を解くため、こころにゆとりがあるときには、かなり難しい挑戦問題を解くこともあります。
どんぐり舎の問題は、1つのトラップをくぐり抜けても第2のトラップがあったり、ときには第3のトラップがあったり。
一筋縄ではいかない問題が多いのが特徴です。
今回は、そんな一筋縄ではいかない問題に果敢にチャレンジし、1時間かけて何度も何度も試行錯誤したお子さまのおはなしです。
「むずかしいからね、ゆっくり考えて絵にしてね。」
そう言って、私は1問の問題を渡した。
見事に次々と、文章を絵にして持ってくるAちゃん。
絵の表現もうまくなり、頭の中が整理されていることがわかる。
30分経過して、答えが出た。
私のところへ持ってくる。
Aちゃんの表情から、「合ってるよね?」と伝わってくる。
私は言った。
「ここまでよく考えたね。絵も上手に描けてる。……もう少しだけ、考えてきてごらん。考え方も、まとめ方もきちんとできているよ。」
Aちゃんは少し、ぽかんとした様子。
また席に戻り、考える。考える。考える。
まとめて、絵や図にして…。
また私のところへ持ってきた。
私は言った。
「さっきよりイメージできているよ。…もうちょっとでたどり着きそうだから、もう少しだけ、考えてきてごらん。」
Aちゃんは、決して諦めない。
もう一度文章を読み込んで、頭の中で整理しながら絵を描き、答えを模索する。
何度も。何度でも。
60分が経過した。
そして、私のところへやってきた。
「よくねばったね。今日考えた時間はたからものだよ。また今度、解いてみよう!」
そう言うと、Aちゃんは目にいっぱいのなみだを浮かべた。
答えにたどりつけなくて、くやしい「なみだ」。
自分は必ずできると思って、信じた「なみだ」。
さまざまなおもいが交錯した、やさしい「なみだ」。
こどもたちが安心して「なみだ」を流せる、そしてその「なみだ」を大切におもって受け止めてあげられる、そんな学び舎でありつづけたい。
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